楽しみなキャンパス通い

 

 春を迎え、都内の某大学で公開講座の受講を始めた。週1回、6月まで講義が10回ある。7日に始まったばかりの講義内容はさておき、大学を卒業してから44年ぶりというキャンパス通い(卒業した大学とは別)に、久々のうきうきした気持ちを感じている。

 

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新学期を迎えた東京都内の大学キャンパス

 講座のテーマは「日本の中世」。現在NHK放映中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の舞台となっている時代をはさんだ、平安後期から織田信長豊臣秀吉徳川家康らが登場する織豊政権を経て江戸幕府へと続く400年余の時代が該当するという。

 私たちの世代では、受験用に「いい国(1192年)つくろう鎌倉幕府」と暗記したことのある人は多いだろう。教科書でも鎌倉幕府の成立をもって武士を中心として封建時代、いわゆる「中世」へと移行すると確か習ったと記憶している。ところが講師によると、その通説も今は古くなり、教科書も白川上皇による院政が始まり、領域型の巨大荘園が展開し始める12世紀後半ごろから「中世」が始まると記述するようになっているという。ちなみに参考に見せてもらった高校の日本史教科書はカラー印刷されていた。高校卒業からだと今年でちょうど半世紀、隔世の感を深くした初講義だった。

 6月中旬まで、これからもキャンパス通いを楽しもう。

 

 

 

 

 

 

 

 

2年ぶりのマラソン大会を走る

 2年ぶりにマラソン大会に参加した。

 10月17日に長野県大町市で開かれた「第38回大町アルプスマラソン」。2時間超えながら、ハーフマラソンを完走した。

 大会で走るのは2019年9月に秋田県仙北市で開かれた「第34回田沢湖ラソン」で緑に包まれた田沢湖を一周(20㌔部門)して以来。その後は新型コロナウイルスの感染拡大で大人数のイベントが次々に中止になり、走りたくてもマラソン大会そのもが開催されない状況だった。

 週2回程度のランニングは続けていたが、大会という目標がないと、トレーニングにも身が入らず、10㌔が8㌔、8㌔が5㌔と1回のランニング距離も短くなりがち。体重は増え、一方で筋力は減少。今夏の猛暑も加わってフルマラソンはもちろん、ハーフマラソンですら完走できる持久力が残っているかどうか不安だった。そんな中で9月上旬に主催者のホームページで、感染の再拡大がないという保留条件付きながら大会を実施するとの告知があった。

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 当日の出走者数はフル、ハーフともそれぞれ600人ほど。10日前から日々の体温測定のほか、「のどに痛みがある」「咳が出る」など10項目ほどの健康状態を申告する「体調管理チェックシート」を記入して持参。もちろん会場入場時にも検温し、シートの提出を終えると、テック済みを示す黄色のリストバンドを渡され、競技終了後まで手首に装着するという念の入れよう。着替え所と荷物預かり所の体育館は入口と出口が分けられ、すべて一方通行。陸上競技場でのスタートはフル、ハーフともゴール予想タイムでそれぞれ160人ほどずつの4グループに分かれ、集合場所や時間も別々というウエーブスタートという段取りだった。ハーフの場合、陸連登録者ら最も速いグループはフィールドに集合して午前10時10分のスタート。私の走る最も遅いグループはスタンドに集合してからフィールドに降り、最後の10時40分にスタートするという具合。スタート30秒前に「マスクをはずして」とアナウンスがあった。コロナ禍前の大会とは様変わりだ。

 コースに出て数キロもすると走者はまばらになり、10㌔も走ると50㍍前に1人、100㍍前に2,3人といった、密とはほど遠い状態。そのぶん足が重くなり、息もくるしくなってからの後半は精神的にきつかった。序盤8㌔ほどがゆるい下り、1回目の折り返しから2回目の折り返しの17㌔ほどまでが逆にゆるい上りというコース。特にこの日は冷たい北風が吹き、上りに入ると風を真正面から受ける厳しい条件だった。10㌔地点の通過は1時間を切っていた。「久々の2時間切り」もとふと甘い考えが頭をよぎったが、後半は走っても走っても前に進まない。ゴールまでの3㌔ほどはその足も思うように動かず、体がふらついているのが自分でもわかった。

 目標はあくまで完走。2時間22分11秒の結果には満足するとしよう。何よりも大会が開かれ、参加できたことの喜びの方が大きい。コロナ禍で開催に努力された関係者や寒い中で長時間にわたって会場運営,コース警備、給水などにあたってくださった市民や中高生の皆さんには、「ありがとう」の感謝の言葉しかない。

 夜は長野駅前に宿をとり、近くのワインバーで久々の一人完走祝いをした。